Fresher FS-482

こちらは Fresher FS-482 1977年~79年頃。
ストラトのモデルながらスルーネック構造です。

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みなさんは 「Fresher」 というブランドをご存知でしょうか?

フレッシャーは文字通りフレッシュなギター・キッズを
ターゲットにしたブランドで、グレコなんかよりも価格帯が安く、
当時の若年層が初めてエレキギターの世界に第一歩を踏み込むのには
最適だったと言えます。

1973年にスタートし、85年には終わってしまいましたが、
フェンダーとギブソンのコピー・モデルを中心にしながらも
他ブランドにはやる勇気が無かったような面白い大冒険モデルも
たくさんエレキギター史に残しました。

フレッシャーの大冒険モデルと言えば、
やはりエフェクターやリズム・ボックスを内臓したモデルが有名ですが、
その他にも龍の彫刻がされたストラト・モデルや
漆塗り仕様なんてのもありました。

今回の 「FS-482」 もまさに大冒険モデルのひとつで、
パっと見はバリバリのフェンダーのストラトキャスターのコピー・モデルながら、
ヘッドの先からボディの下までを1本の材で構成されるスルー・ネック構造。

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これは時代背景からみても スルー・ネック構造が標準である
超高級ブランド 「アレンビック」 が日本に入ってきたことが大きく影響したと
思われますが、70年代中期以降は国産ブランドの多くが
このスルー・ネック構造のモデルに挑戦しました。

富士弦楽器で製作されたグレコもアレンビック風の 「GOシリーズ」 を発売しましたし、
マツモク工業で製作されたアリア・プロII だって 「TSシリーズ」 などを
驚くほど安い価格帯でスルー・ネック構造のモデルを発売しました。

アリア・プロII の TS なんて正直言って決して人気の高いモデルではありませんが、
本当に良くできています。
スルー・ネックの本体にタップ・スイッチやフェイズ・アウト・スイッチまで標準装備。
9V電池を2コも内臓して駆動させるブースターまで付いているものまでありました。

アリアのスルー・ネック・モデルは別の機会にするとして、
今回は共和商会さんのフレッシャーでした。

この FS-482 は今となっては大変レアなモデルです。
私もこの10年間の間に数え切れないほどの昔のギターを見てきましたが、
このフレッシャーのスルー・ネック・モデルの実物を手にしたのは初めてでした。

FS-482 は 当時¥48,000で発売されたモデルです。
こんな贅沢なつくりのギターなのにえらい安いやないかい!
と思いきや、よく見てみるとマホガニーのように見えるボディ材がラワン材です。
おまけに指板が貼りメイプル仕様です。

この話は純粋にギターを弾いて楽しんでおられるプレイヤーさんには
ピンと来ないかもしれませんが、
ギター自体の構造の違いなどにえらい興奮する私のようなマニアックな方には
理解できるはずです。

つまり分かりやすく言うと、
スルー・ネック構造のギターは 「超高級」 ですが、
ラワン材ボディに貼りメイプル指板は 「超安物」 を意味するのです。

もっと分かりやすく言うと、
ハーレー・ダビッドソンのハンドルがママちゃりのハンドルだったり、
貧乏長屋の居間にペルシャじゅうたんが敷いてあるような・・・

分かりにくくなってきましたが、要はアンバランスということですね。

しかしながら こういうギターは 「おもろい!」 の一言に尽きます。
本当に最高です!
売れるとか売れないではなくて、より良い製品を生み出そうとした
当時の楽器製作に携わった方々の想いが伝わってきます。


そして・・・ついに仕上がりました!

肝心のサウンドもなかなかのものです。
ボディの真ん中に硬いメイプル材が使われているだけに
裏のトレモロ・ユニットのバネが共鳴して文字通りのスプリング・リバーブが!


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裏側を見ればビックリのスルー・ネック構造!

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ケースには Fresher オリジナルの工具セットまで入っていました!
これはマニア心をくすぐる逸品・・・。

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ちなみに FS-482 には更に上級モデルの FS-606 がいたそうです。
これにもいつか出会える日を待つことにします。



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