Standard Strat

こちらは Fender USA Standard Strat 1984年。
左利き用モデルです。

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左利き用のギター自体の流通量がかなり少ないので
見慣れない方も多いと思います。
まるで鏡に写っているのを見ているような違和感を感じますが、
人が弾く体勢で構えると不思議と違和感は消えます。

左利きの人はそんなに少なくないと思いますが、
ギターの種類はたくさん出ていないので、
あまり贅沢を言って選ぶことはできません。


左利きの人がギターをやるには

・少ない左利き用ギターから妥協しつつ選ぶ。
・右利き用のギターを弾く。
・右利き用のギターを反対向きにして弾く。

この3通りから選ぶしか道はありません。

でも言うのは簡単ですが、実際やってみるとなると・・・。
右利きの私がこのレフティ・ストラトを持つと全く弾けません。
左手で字を書いたり、ボールを投げたりがうまくいかないのと同じです。

それならやっぱりギターを逆さ向きにして使うのが一番早い気がします。
ジミヘンのように。

左利きの人はギターを逆さまにして低音弦が下になったまま弾く人も
珍しくありません。 スゴい器用!
でもギターを初めて触ったときからそうなっていたら
ご本人は違和感無いのかもしれませんね。


今回のこの黒いレフティ・ストラトは左利き用というだけで珍しそうですが、
それだけでなく、モデル自体が稀少です。
例え普通の右利き用だったとしてもとても珍しいのです。

よく見てみて下さい。

普通のストラトキャスターはコントロールが 1Vo.2To. ですが、
このモデルは 1Vo.1To. です。
それに普通はシールド・ケーブルを差し込むジャックは舟形のものが
付いていますが、これはピックガードに直接ジャックが付いています。

普通のストラトキャスターのコントロール

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今回のモデル

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しかしながら最も違和感を感じるのは背中です。

ストラトキャスターはシンクロナイズド・トレモロを装備していますので、
弦の張力をボディ裏のバネでバランスを取っています。

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今回のモデル

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トレモロが付いているのに背中は何にもありません。
テレキャスターのような弦を通す穴すらありません。

?????・・・ そんなアホな!

普通のストラトを使いこなしている方にはさっぱり分からないでしょう。





バラしてみると、面白いトレモロ・ユニットを持っています。

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2点支持タイプで、サドルがある上のプレートからバネまで一体化しています。
ボディの上の2本の支持ポストに引っ掛けると、
ボディの内側でバネを引っ張って固定するようになっています。

「フリー・フライト・トレモロ」 と言います。

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すごく変ですね!面白い!
なぜトレモロのスプリングを体内に隠してしまったのか!

確か深海に住む魚は光が届かない暗闇で何も見えない生活のために
目が退化してなくなっていたりするはずです。
このストラトにもこうなった理由があるはずです。

永いストラトの歴史の中でもトレモロのスプリングを体内に入れてしまった
種族がいたのだ!
しかしその生態の秘密はまだ解き明かされていない・・・。


この深海魚のようなモデルは正式には

 「Standard Strat」

という名前がありましたが、
1983年にデビューし翌84年も出荷されたものの
すぐに姿を消してしまいました。
おそらくCBS期の終焉と共に姿を消したのでしょう。

今ではワシントン条約によって保護された絶滅危惧種です。(ウソ)

電装系は日本製のものを標準装備。
私の勘ですが、つくりがどうも初期のフェンダー・ジャパンによく似ています。
フジゲンで製作されたのではなかろうか・・・。


1987年にアメリカン・スタンダード・シリーズが始まり、
「スタンダード・ストラトキャスター」 と言えば
このシリーズのものが思い浮かぶと思いますが、(通称アメスタ)
それよりも少し前の時代に全くコンセプトが異なる 「スタンダード・ストラト」 が
いたことをボクたちは忘れてはならないのだ・・・。




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