Fender USA '74 PB

こちらは Fender USA Precision Bass 1974年 です。
定番のサンバーストに赤べっこうピックガード。メイプル1ピースネック。

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楽器は永い年月の間に様々な使い方をされながら
様々なオーナーの手を渡っていきます。

それぞれの楽器には永い間の使われ方で
染み付いたようなクセを感じます。

このプレベは約40年もの間、たった一人のオーナーさまに
可愛がってもらってきた1本です。

こういう楽器には複数のオーナーさまに使われてきたものには無い
独特のクセを感じます。

それは一体何なんだろうな。
と思ったりするのですが、それはひとえに「愛」だと思います。

永年連れ添った夫婦にしかない「愛」みたいな。
いちいち口には出さないけれど、確かに存在している「愛」みたいな。

こういう楽器は幸せだと思います。

リスペクトの想いを込めて入念にオーバーホールさせて頂きました。





こちらは Gretsch 6120 Nashville です。

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グレッチの歴史も古いですが、
オレンジ色のカラーがが印象的なナッシュビルは
ブライアン・セッツァーの愛用でも有名なモデルで、
今やグレッチで最もメジャーなモデルかもしれません。

このナッシュビルはこれから東京へ旗揚げに向かう
若きしミュージシャンが行く前に最も良い状態にしてから行きたい。
というご要望でお預かりした1本です。

よく使ってもらってきていましたが、
フレットもばっちり揃えてストレス無く弾けるようになりました。




こちらは Gretsch 6119-62 TennesseRose です。

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上のナッシュビルと共にお預かりした1本で、
62年のテネシアンのリイシュー・モデルです。

上のナッシュビルと比べて明らかにあまり弾かれていなかったようですが、
やはり音楽をするための道具である楽器は
使われていない方が調子が悪くなるものです。

特に電装系は永い間動かさないと固着してしまって
接点不良が起こり、ガリガリになってしまいます。

このテネシー・ローズもやはりそんな感じでしたが、
これがとても厄介・・・。

知らない人、意外に多いのですが、
アメリカで作られていた時代のグレッチはFホールが「絵」で描いてあります。
実際に穴は開いていません。

日本の寺田楽器さんで製作されるようになってからは穴が開いています。

ところが、この 6119-62 の場合はアメリカで製作されていた
1962年当時のモデルを復刻しているだけに
Fホールは「絵」にしてあります。

ギブソンのフルアコなんかはFホールから電装系アッセンブリの
ボリューム・ポットやらピックアップ・セレクターやらジャックやらを出して
修理するのですが、グレッチの絵からは出すことができません。

それで、ピックアップを取り付けている部分の穴から全部引っ張り出して
修理した上でまた元に戻すのですが、
何せ中に手を突っ込んで作業する訳にいきませんので、
大変な手間が掛かります。

私は熱で収縮するチューブを差し込んでポットのポストにそれを止めて
元の場所まで引っ張って戻しています。

これは普段からよくやっている作業ですので
慣れていると言えば慣れているのですが、
何せ半分手探りの見えない世界の作業です。

なかなかうまく1回ですっといかないことが多いです。
どこかに引っ掛かって出て来ないのです。

これを無理して強引に引っ張るといけません。
ハンダが外れたり配線がアースに落ちて
音が鳴らなくなって結局またやり直しになります。

しかし人間うまくいかないとやっぱりどうしてもイライラしてきます。

ペンライトで穴から中を照らして覗いてみると
すぐそこまで来ているのに何故かこっちまで来てくれない。

おいおい・・・どうした・・・?
何も怖くないからこっちへおいでおいで・・・。

ダメだ・・・。誰かが戻って来るのを止めているようだ。

君はあいつの口車に乗ってあそこに戻るべきではない。
と要らぬアドバイスを受けているかのように・・・。

そんな時に限って凄くトイレに行きたくなってくる!
店の電話のベルが誰かが出るまでは一生切らない勢いで鳴り続ける!


このテネシー・ローズのコントロール・ノブは全部ボリュームです。
マスター・ボリュームとフロントのボリュームとリアのボリューム。
トーンは2つ並んだトグル・スイッチの1つで、スイッチをオンにすると
トーンが効いて音がコモるようになっていてその加減はできません。

それにスタンバイ・スイッチというギター自体のオン・オフ・スイッチのような
ものまで付いています。

そもそもこんなボリュームたくさん要らんがな!
スタンバイ・スイッチて何の意味があるねん!

グレッチの伝統の継承にまで文句が出てきます。

しかしながら、今私がこの電装をちゃんとメンテしておくことで
当分この面倒くさい作業を誰もしなくて済むのです。

とか、どうでも良いことをいっぱい考えながら作業を終えました。

上のナッシュビルもそれは同じでしたが、
やっぱりFホールがあるのと無いのとではえらい作業効率が違うものです。





こちらは更に一緒にお預かりしたヤマハのエレアコ。

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これは全体のオーバーホールも含めてですが、
どうもプリアンプのコントロール部に問題アリでした。

エレアコのプリアンプのコントロール部は限られた狭いスペースに
ボリュームやイコライザー、その他諸々のコントロールをする電装基盤と
電池から電源を供給するシステムが組み込まれています。
チューナーが付いているものも今は多いですね。

これはコントロール部をバラしてギター本体から取り外して
修理した上でまたボディに納めます。

こういう修理作業もよくあります。

今回はコントロール・ポットの軸を固定する部品が割れてしまっていて
グラグラになっていることから接点不良が起こり、
鳴ったり鳴らなかったりすることが分かりました。

と言ってもそんな特殊な部品を新しく入手することもできません。

どうにか工夫して固定し、安定させることに成功しました。
これで当分安心でしょう。





こちらは YAMAHA SL380 です。

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ヤマハにこんなコピー・モデルあったことは
あまり知られていないかもしれません。

SG、SA、とかアコギのFGは有名ですが、
ヤマハもかつてはコピー・モデルを製作している時代がありました。

この SL380 は レス・ポール・スタンダードのモデルで、
1976年から79年頃に発売されていたモデルです。

ギブソンのレス・ポールの姿をしたモデルなのに
フェンダーのようにネックが外せるボルト・オン仕様です。

ネックを外した際にストラトとかテレキャスのネックに付け替えて、
その面白い姿の写真を撮って、フェイスブックにアップしたり、
弾き心地を試したりしたくなりますが、
大切なお客さまのギターで遊んではいけません!


この SL380 は ネックのトラスロッドも締め切って終点になっていましたし、
フレットもナットも電装もハードウェアもガタガタでしたが、
そんなギターほど仕事のやりがいもあるというものです。

丸3日ぐらい費やして徹底的にオーバーホールしました。

ネック・アイロン・ヒーターを使ってトラスロッドも
ほぼ締まっていない状態に戻しました。
ナットも牛骨を削り出して製作しました。

見違えるほど美しいギターになりました!
サウンドもなかなか骨太なハムバッカー・サウンドでいい感じ!





こちらは Greco VB360 1973年頃 です。

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このバイオリンベースはグネコ期になる少し前ぐらいに
製作されたモデルだと思います。

この時期にはバイオリンベースがタイプ別に3モデルあったのですが、
その中でも最もスタンダードだったモデルです。

ネック・ジョイントはボルト・オン仕様。

セットネックじゃないなんてインチキじゃないか。
と言う方もおられるかもしれませんが、
ネックが外せるおかげでネック・ポケットにシムを挟み込んで
ネックの角度調整ができたりして都合の良い面もあります。

富士弦楽器で製作されていた当時のグレコは
1976年頃から少し変わるのですが、
ちょうどこの VB ぐらいの時期のモデルは共通した質感があります。

磨けば磨くほどピッカピカになってくれます。
ハードウェアもクローム・メッキですのでピカピカに甦ってくれました。

控えめな出力のシングルコイルが付いているのですが、
これがまた何とも味のある暖かい鳴りを生んでくれます。





こちらは Gibson LG-0 1967年頃 です。

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ギブソンのアコースティック・ギターと言えば
J-200 J-50 J-45 辺りがメジャーですが、
それらの下に廉価版としてこの 「LG」 のシリーズがありました。

「LG」 の仲間には LG-0 LG-1 LG-2 LG-3 の4タイプあって、

LG-0 と LG-1 が マホガニー・トップのラダー・ブレース。
LG-0 がナチュラル。LG-1 がサンバースト。

LG-2 と LG-3 は少し上級で スプルース・トップのXブレース。
LG-3 がナチュラル。LG-2 がサンバースト。
1962年からは名前が B-25 に変更。

「ブレース」というのは ボディの板が曲がらないように支えている
骨みたいなものです。
タコあげの凧の骨と同じようなものです。

下級のパーラーギター(おもちゃ的な感じ)のものは
横向きに並行に並んだ骨のみで、これをラダー・ブレースと言います。
通常は斜めに貼り付けられた骨を持つエックス・ブレースになっていて
強度が強くなっています。


しかし、こんな昔の LG-0 を触っていると
永い年月を経てカリカリに乾いたサウンドには上級も下級もありません。
まさに枯れたギブソンそのものの魅力たっぷりです。

このLG-0 は ネックの元起きが激しくて、
10フレット辺りから上のハイ・ポジションの音階が全くとれない状態でした。
各弦ごとにどこを押さえても同じ音階になってしまう。

それでネック・アイロン・ヒーターを用いて元起き状態を解消し、
フレットの高さを磨って揃えて弾けるようにしました。

これでまた長生きしてくれることでしょう。




ライブのお知らせ!


■5/1(水) 老いも若きも Blues だ!  
 Coffee House 拾得
 Open 17:30  Start 19:00  \1,000

出演

瀧本みつる(Vo.G)

仲田耕実(Vo.) ライトニン栗田(G) 山下サトシ(P)
松本靖志(Ba) 小川進(Dr)



Coffee House 拾得
京都市上京区大宮通下立売下る菱屋町815
075-841-1691




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