ネックの整形外科治療

こちらはグレコのバイオリンベース。
1974年頃の VB-360 です。

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これはネックが根元からポッキリ折れているのではありません。

本家ドイツのヘフナーのバイオリンベースならあり得ませんが、
この70年代当時のグレコはまだボルト・オン仕様でした。

 何だ!またインチキのジャパン・ヴィンテージかよ!

そういう声が聞こえてきそうですが、
ちょっと待って下さい。

 エレキギター界の王様、フェンダーだってボルト・オンなのですから。

私は個人的にはフェンダーよりギブソン派・・・ と言うか、
箱もの派ですので必然的にギブソンの方になってしまいますが、

私以上にコテコテのギブソン派の方はボルト・オンなんてとんでもない。
弦の振動がより逃げないセットネックがいいに決まっている。
何やったらスルーネックが一番だ!

と断言される方もおられるますよね。

しかし、私はこのボルト・オンというやり方も悪くないと思います。

このボルト・オンというやり方には

 簡単にネックの差込角度が変えられる

という大きな利点があります。

これはセットネックのギブソンではできない芸当です。


私は毎日芸歴40年クラスの古い古いギターばかり見ていますが、
永い年月を掛けて素晴らしい鳴りに育ったことの代償に
弦の負荷に耐え続けてきたネックは多少の歪みが出ていても当然です。

それを根本的に修正するには人間の整形外科の治療と同じで、
大掛かりな外科的手術をするか、温存治療かのどちらかです。

年齢や経済的な事情を考えてもリスクの高い手術をするのか。
それとも温存治療で上手く付き合っていくのか。

私は昨年に椎間板ヘルニアの悪化で整形外科のお世話になり、
手術してもらいましたが、その時に本当に人間とギターは似ているなぁ。
と思いました。

私は最終的にトコトン悪くなって立つこともままならない状況にまで
陥りましたので最後には手術に至りましたが、
それもなかなか簡単にはしてもらえず、
激痛の中で永い間我慢の生活もしました。

しかしできるだけ外科手術はせずに温存治療に持っていきたい。
とされる整形外科の先生の気持ちもよく分かりました。


私も古い楽器を毎日修理している中で基本的な考え方は温存治療です。
外科手術した方が早い場合もありますが、あえて温存を選びます。

その方が古い楽器の良さが維持できると言えるからです。


急に暖かくなったり、寒くなったりすると生き物である木は動きますので
ギターのネック調整にたくさんのギターがやって来ます。

毎日ギターのネックを診ていますのでロッドの動き方や弦高のバランスなどで
どうしたら上手く症状が消えるかその場ですぐ分かります。

そんな時にやっぱり便利だな。と思えるのが、

 ボルト・オン仕様  です。

古いジャパン・ヴィンテージものは永く放ったらかしにされいて
大切にしてもらえなかったものも多いですので、
首や腰が曲がっているお年寄りも多いですが、
ボルト・オン仕様のものはかなり早く復活しやすいです。

最近の若い海外生産のギターたちも手取り足取り面倒をみて
やらないといけない頼りない子も多いですが、
年寄りのジャパン・ヴィンテージと比べたら可愛いものです。


9/29 Greco VB360 1974年 デビューしました!




金曜日、土曜日と連続のブルース・ライブも無事終了し、
大興奮の日々も少し一段落しましたので、
朝から下の娘(4)の自転車の練習に付き合ってやったり、
ちょっとは親父らしいことをしてみたりしています。

しかし、仕事に戻ってギターを触っていると
やはり頭の中はブルースが流れてきます。

金曜日のハルズ・BBをバックにした妹尾さんのハープはさすがに
大興奮の素晴らしい演奏でした。

土曜日のイースト・マウンテン・ブラザーズも
結成してまだ半年ほどとは思えないグルーヴ感で良かった!

私も好き放題ギターを弾かせてもらいました。

またとても良い刺激になりました!

さあ、頑張って仕事するゾ!


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