Kawai EP-85

こちらは1963年頃の Kawai EP-85。
河合楽器製作所がかつて作っていたエレキギターです。

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 カワイ・ギター

今ではピアノ・メーカー&音楽教室。
もしくは体操教室(うちの娘も通っている。)が有名な河合楽器製作所ですが、
1960年代のGS(グループ・サウンズ)全盛期にはたくさんのギターを製作し、
テスコ、グヤトーンと並び、かつては日本のミュージック・シーンにおいて
ずいぶんと活躍したブランドです。

今では 「ビザール・ギター」 という区分がされるこの手のギターは、
昭和30年代~40年代の高度成長期に凄まじいモノづくりの力によって
生み出された日本独自の製品で当時ならではの面白いデザインです。


この 「EP-85」 というモデルもなかなか面白いです。

パっと見はギブソンの 「ES-140T」 という
とても小柄で薄型のフルアコがありますが、それに似せてあるようです。

ビザール・ギターをよく知るマニアックなセンスをお持ちの方は
一目見て感じるはずです。

 あっ。これ ナルダン製だ。

「ナルダン」 は日本のピックギターのメーカーとして大変有名なブランド。
スズキ・バイオリンに負けない製作量だったのでは・・・。
・・・とますますマニアックな方に行ってしまいますね。

 その前に ピックギター って何だ?

そうですね!
今ではあまり活躍しなくなったピックギターを知らない人も多いでしょうね。

ピックギターとは簡単に言えば、バイオリンやチェロみたいな
ボディに 「f 状」 の穴が開けてあるギターですが、
いわゆるフルアコと呼ばれるギターに載せられている電気系統を持たない
アコースティック・ギターのことです。

かつてピックギターはジャズのビッグ・バンドなどでリズムを刻むのに
活躍していたギターですが、エレキの時代になって衰退していったギターです。

もちろん今でも素晴らしいピックギターはたくさんありますけどね。
現在使われているギター全体を円グラフで表すと多分かなり少ない面積でしょう。
ダーツを投げて当たれば海外旅行に行けそうなぐらい・・・。


しかしながら日本のギターを発展させた土台には少なからず
ピックギターの存在がありました。

かつて河合楽器やテスコは ナルダン製のピックギターに
独自のマイク(ピックアップ)などの電気系統を組み込んで
それを 「フルアコ」 として発売していたのです。

それが 「EP (ELECTRIC PICKGUITAR) シリーズ」 です。

この EP-85 は 1963年(昭和38年)当時に8,500円だったギター。
大卒初任給が19000円ぐらいだった当時の物価を考えると高額です。


このギターを見て

 テスコの PE-8 では?

と思った方はかなりのマニア度の高さです。

確かにテスコの PE-8 にすごく似ています。

それは楽器業界の家系図を紐解くとその関係も明確です。
テスコはいずれカワイに吸収される運命にあったのですから。


えらいマニアックな話題になって申し訳ありません!


この Kwai EP-85 はネックがヘビのようにウネウネに曲がり、
しかもネックのロッド調整ができないモデルのために入院でお預かり。
アイロン矯正を施しました。

ちゃんと指板はまっすぐになりました。
これでバリバリ弾けます。

しかし土台がナルダンのピックギターだけによう鳴ります!





こちらは Epiphone Riviera。

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エリート・シリーズが出る前のエピフォン・ジャパン・シリーズに
ラインナップされていた日本の寺田楽器製モデル。

ストップ・テールピース仕様のリヴィエラです。

エピフォン・ジャパンのリヴィエラは通常のサイズのハムバッカーしか無い
と思っていましたが、ミニハムバッカーが載ったモデルもあったのですね。

この方がルックス的にもエピフォンらしいですね。
かつてギブソンの工場で製作されたエピフォンはミニハムでしたからね。


中古ギターの世界って面白いもので、
ギターがギターを呼ぶ目に見えない引き付ける力があります。

テレキャスターが1本来ると、急にテレキャスターの入荷が続いたり、
バイオリンベースが1本来ると、急に次から次へとバイオリンベースが来たり。

きっと寂しがり屋なのでしょう。

こんなストップ・バー仕様のあまり見かけないタマ数の少ないリヴィエラ。
ついこの前もサンバーストが来ていたところでした。

まあ、珍しいものが。
と思っていたらすぐにこのナチュラル君がやって来ました。

ばっちりセットアップしたらなかなか良いギターになりました。
やっぱりミニハムの音、好きだナ・・・。





こちらは謎のプレシジョン・ベース。

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このキャンディ・アップル・レッドのプレベ。
バラして調べれば調べるほど謎が深まる1本。

中古楽器の世界では様々な運命を辿ってきた楽器ばかりです。
中にはこんな謎のモデルも出てきます。

ヘッドにはフェンダーのスパロゴで しかもパテント・ナンバー無し。

ということは1960年頃の顔・・・。

指板はローズウッドのスラブ貼りで、ポジション・マークもクレイ・ドット。
ローズの木目もかなりハカランダっぽい・・・。

おいおい・・・まさかホンマに60年頃のネックか!

ネック・ジョイントのプレートには 「Fマーク無し」ってことは CBS前。
シリアルナンバーからは・・・おっ!1961年!


しかしボディ側はかなり怪しいゾ・・・。
キャンディ・アップル・レッドは確かに1960年頃から出てたはずですが、
ネック・ポケットには比較的新しそうな意味不明のスタンプが。

ピックアップはグレー・ボビンで製番がスタンプされている。
これは1972年製に間違いありません。

コントロール・ノブは60年代の段差付き。
ブリッジも60年代のスパイラル・サドル。
ピックガードはプレベ最初期のアルミのゴールド・アノダイズド。


一体何なんだ!

プレベは特に伝統を重んじてきたモデルだけに
ジャズベのような分かりやすい仕様のマイナー・チェンジが少ないのです。

しかしながら弾き心地と音を聴けばタダモノでは無いことは明白。
めちゃめちゃ良い!

かっこいいフレーズが泉のごとく涌いてくるようなポテンシャル!
ドナルド・ダック・ダンの霊が取り憑いたのか!

私がこれまで出会ってきたプレベの中で1番!
・・・まではどうか分かりませんが、間違いなく5本の指には入ります。


むむむ・・・謎だ・・・。





こちらは Fender Mex Telecaster Deluxe。

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テレキャスターの家系図の中では一番下の端っこの方にいる

 テレキャスター・デラックス。


やっぱり変テコだ・・・。


だってストラトのデカヘッドだし。

だってストラトのハードテール・ブリッジだし。

だってストラトの3点止めネックだし。

だってハムバッカーだし。


でも、そんな君がかわいい・・・。

1950年代の初期から続いたテレキャスターの概念を覆そうとした君は
間違いなくデラックスだ・・・。






こちらは YAMAHA FG-301。

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どこにでもいるような珍しくもないヤマハのアコギ。
普通の楽器店のブログにはまず登場しないでしょう。

でも私はこういうギターをあえて取り上げたい!

ヤマハのFGことフォーク・ギター。
値段は1万円台しかつきません。

 いい音するの?   普通です。

 弾きやすいの?   普通ですね。

でも 「普通」 って悪いことじゃありません。

マーチンやギブソンのような高いギターが良いに決まってる訳ではありません。
高くても悪いギターもあります。

日本のヤマハの工場で作られたこの時代のギターは
優れた生産技術で当たりハズれの少ない安定した品質です。
ずば抜けて良いものも、ずば抜けて悪いものもあまり見ません。

まずは普通を知らないと
マーチンもギブソンも語れません・・・。

犬で言えば雑種・・・。
贅沢を言わない人のところで永く可愛がってもらってほしいです。

面倒くさがらずにサドルを削ってちゃんとセッティングしたら
「普通」 でも 「中の上」 になりました。



ライブのお知らせ!

■11/9(金) 拾得 
START 19:00 
チャージ ¥1,500
京都市上京区大宮通下立売下る菱屋町815


 野村尚志 泉邦宏
 森本昌彦バンド
 Little River Blues Band
 

 「Little River Blues Band」
 森久杜志(Vo.Harp) 松本靖志(B) 小川進(D) 栗田寛人(G)



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